2016 年 72 巻 2 号 p. I_47-I_52
2015年関東・東北豪雨では常総市域の約半分が水没し,市役所などの主要な防災拠点や指定避難所となっている小中学校も浸水した.学校・保育所の管轄課や浸水被害を受けた学校園で避難行動と教育や保育の再開までの取り組みについて,インタビュー調査を通して浸水前の対処行動,浸水開始後の避難行動,避難所の運営支援,安否確認,学校再開までのプロセスなどについて検討した.避難指示が発令されている中,教職員は危険を冒して学校に参集して対応に当たったが,直後に浸水が始まり,避難を余儀なくされたことや専門的能力を有するボランティアの協力が早期の学校再開に有効であったこと等が明らかとなった.