2016 年 72 巻 1 号 p. 263-278
道路橋での鋼床版上面において,橋面舗装のひび割れや舗装と床版界面との付着切れに起因する雨水の浸入や,冬期の凍結防止剤の散布による塩分供給の影響で,デッキプレート上面で腐食減肉が生じることが確認されている.これまで,短時間で施工し交通影響を小さくすることが可能な片面当て板接着補修に着目し,小型試験体を用いた曲げ試験とFEAにより,補修効果について検討してきた.
本研究では,腐食減肉を想定した断面欠損を有する実物大鋼床版試験体を用いて,輪荷重載荷試験(静的・疲労)とFEAにより,輪荷重載荷時の断面欠損の大きさや位置の違いによるデッキプレート近傍の応力の変化と片面当て板接着補修の補修効果を検討した.また,小型試験体検討での力学モデルによる必要板厚設計法が整合することを確認した.