2014 年 70 巻 4 号 p. I_1132-I_1143
本研究は,直接基礎を有する道路橋を対象として,基礎の浮き上がりと地盤の材料非線形の両方を考慮できるマクロエレメントモデルを用い,非線形動的相互作用による橋脚の断面力低減効果について系に対するエネルギー収支に着目し考察を加えるものである.地盤は弾性体であり基礎は地盤に固着していると仮定したシステムと基礎の浮き上がりや地盤の材料非線形を考慮したシステムの応答を比較した結果,基礎の浮き上がりが生じることで入力エネルギーの一部が運動エネルギーや基礎部分での履歴消費エネルギーの増分として変換され,橋脚の断面力が低減することや,入力の加振振動数によっては,システムに対するエネルギー入力そのものが抑制される場合があり,それによっても橋脚の断面力が低減する可能性があることがわかった.