2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18011
3次元流体・構造連成解析による浮遊ケーソンの曳航・回頭時の作業限界の評価に向けた取り組みとして,本研究では,浮遊ケーソンを規則波下において直線的に曳航したときに生じるケーソンの動揺特性を流体・構造連成解析が可能な3次元数値計算モデルFS3Mにより考究した.その結果,HeaveとPitchの変動はケーソンから見た見かけの入射波周期(出会い波周期)で生じる傾向があること,Heaveの振幅は見かけの入射波周期がHeaveの固有周期と一致すると同調が生じて大きくなること,Pitchの固有周期は曳航索の影響を受け,見かけの入射波周期が曳航索も含めたPitchの固有周期と一致すると同調が生じてPitchの振幅が大きくなることを確認した.また,曳航索に作用する索張力の時間平均値は,波高の増加とともに大きくなること,HeaveやPitchの同調が生じるときに大きくなることを確認した.