2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22043
我が国の社会インフラ施設の多くは高度経済成長期に集中的に整備されたため,老朽化に伴う維持管理の需要増大が喫緊の課題であり,より効率的かつ戦略的な維持管理が求められている.従来の道路維持管理では,2次元データを用いた管理が主流である.しかし,橋梁や法面の詳細構造,点検箇所を把握しづらいことや,点検者と補修担当者が異なる場合や経験の浅い技術者の場合に現場の状況を正しく理解できないという課題がある.本研究では,維持管理業務の効率化およびデータの蓄積を目的として,道路の損傷を視覚表現に優れ情報共有が容易な3次元点群データとして計測して可視化し,これを損傷の概要とともに2次元地図上に可視化する情報システムを提案した.そして,実務者によるシステム評価を行い,その有用性と課題を示した.