2021 年 76 巻 5 号 p. I_1093-I_1106
低速自動運転車両等を用いた新たなモビリティサービスによる公共交通網再編の試みが各地で進められている.低速自動運転車両のようにラストマイルを担うモビリティサービスの設計には,数百m単位の精度で需要を把握する必要がある.本研究では,高蔵寺ニュータウンを対象とし,PT調査データと携帯電話から得られた位置情報データを組合せ,250mメッシュ単位の交通手段別OD表を作成した.さらに,選好意識調査データと組合せて新たなモビリティの需要予測モデルを構築し,250mの解像度で低速自動運転車両の需要推計に適用した.携帯電話の位置情報活用により,PT調査等数kmゾーン単位の既存データのみでは困難であった詳細解像度での需要推計手法を構築し,新たなモビリティの導入検討や本格運用に向けたシステム設計への活用を可能とした.