2022 年 78 巻 2 号 p. I_189-I_198
我が国では,i-Constructionを通じて建設現場の生産性の向上を目指す革新的な技術を求めている.この実現には,AIやIoTなどの技術により作業員や建設機器を追跡し,動線を取得する必要がある.こうした背景の下,多くの研究は,建設現場の作業員や建設機器を追跡可能な技術を開発している.しかし,これらの技術を建設現場に適用する場合,オクルージョンが長時間かつ多発する区間において,追跡が困難な課題が見られた.そこで,本研究では,オクルージョン箇所の前後において作業員や建機の画像上の特徴を用いた同定手法を提案し,それにより,オクルージョン区間においても,継続的に追跡可能な技術を開発する.実験では,提案手法を実際の建設現場の映像に適用することで,オクルージョン箇所の前後における作業員や建機を正しく同定して追跡を継続できることを確認した.