2014 年 70 巻 2 号 p. I_173-I_183
構造および材料の力学的挙動は,材料の微視構造(ミクロ構造)における幾何学的特性,例えば材料配置や形状,寸法に強く依存することが知られている.そのため,ミクロ構造の幾何学的特性を最適化することでマクロ構造の力学的パフォーマンスを最大限に引き出す,あるいは制御するための研究が盛んに行われている.そこで,本研究では近年材料開発分野において注目されているフェーズフィールド法を導入し,ミクロ構造のトポロジーを最適化するための手法の開発を目指す.本論文では,まずその基礎的研究としてマクロ変形は考慮せずに,ミクロ構造に周期境界と一様変形を与えた条件下で,その剛性を最大にするためのミクロ構造トポロジー最適化を定式化し,さらに本手法がどの程度の初期値依存性を有するかについて幾つかの数値計算例を用いて検証した.