2019 年 39 巻 2 号 p. 148-154
小児におけるECMO(Extracorporeal Membrane Oxygenation)治療は,先天性心疾患に対しても重要な適応がある.小児複雑心奇形周術期におけるECMO導入のコンセンサスの得られた明確な基準はないが,循環破綻による多臓器障害を合併した状態での導入より,計画的早期の導入の方が離脱率の向上につながると考えられる.出血性合併症が問題となりやすいが,病態を把握し補充療法に努める.心機能の回復には心室の十分な減圧が必要である.小児複雑心奇形の特徴的な疾患である単心室症例のECMO管理では循環生理および解剖学的特徴をよく理解し,各々の状態に応じた管理が肝要である.