日本農村医学会雑誌
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研究報告
当院における大腸悪性狭窄に対する内視鏡的ステント留置術の現況
石橋 一樹古土井 明進藤 源太朗山下 未紗趙 成大野中 裕広藤本 佳史兵庫 秀幸相坂 康之徳毛 宏則
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2021 年 69 巻 5 号 p. 506-509

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抄録

 平成24年1月より大腸悪性狭窄に対する内視鏡的ステント留置術が保険収載され標準化しつつある。今回大腸悪性狭窄に対して当院にて内視鏡的ステント留置術を施行した65症例について検討した。結果はBTS 84.6%,PAL 15.4%であり,ステント留置率は98.5%であった。早期偶発症はステント脱落が1例,晩期合併症は便塊貯留による再閉塞が1例,ステント逸脱が2例であり穿孔等の重篤な偶発症は認められなかった。ステント留置後の経過についてはBTS症例は54例中53例が手術(ステント留置から手術までの期間は平均20日),1例が化学療法,PAL症例はステント留置から死亡までの期間は平均73日であった。大腸悪性狭窄に対する内視鏡的ステント留置術は技術的成功率が高く偶発症も少なく安全性,有効性に優れた手技と思われた。

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