2009 年 98 巻 1 号 p. 18-24
炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)は,複数の環境・遺伝要因が関与する多因子疾患である.その原因は不明であるが,急速に発展したゲノム解析手段により,疾患感受性遺伝子の報告が盛んに行われている.IBDに関連を示す疾患関連領域(loci)はクローン病において同定された感受性遺伝子CARD15をはじめ,とくにクローン病を中心に次々と報告されている.疾患関連遺伝子を明らかにすることによりさらなる病態解明,新規治療法の開発が可能になると思われる.