2007 年 96 巻 4 号 p. 775-777
糖原病I型はグリコーゲン代謝酵素(glucose-6-phosphatase)欠損に伴う非常にまれな先天性疾患である.症例は,17歳時に末期腎不全のため腹膜透析を導入したが,除水不良が著しく溢水状態となり,18歳になり当院紹介となった.腎移植を希望され,肝生検を行ったところ免疫抑制薬の服用は可能と判断し,母をドナーとする生体腎移植を施行した.術前体液管理に血液透析を導入し,腎移植は成功した.本疾患に包括的腎不全治療を経験したので報告する.