2000 年 89 巻 2 号 p. 350-352
68歳男性.眼瞼下垂,複視,嚥下困難で発症,その後四肢脱力感を伴うようになった.胸部CTで右肺門と縦隔とに腫瘤影がみられ気管支鏡で肺小細胞癌と診断した.誘発筋電図ではwaxingがみられ,アセチルコリンレセプター抗体陰性,テンシロンテスト陰性,抗P/Q型VGCC抗体陽性で肺小細胞癌に合併したLambert-Eaton myasthenic syndromeと確診した.抗癌化学療法で腫瘍は著明に縮小し臨床症状の改善をみたが,その後脳転移が出現し呼吸器感染症で死亡した.