日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
L-threo-3, 4-dihydroxyphenylserineにより心肺圧受容体反射機能に改善をみた脊髄小脳変性症の1例
福間 朝子松林 公蔵北澄 忠雄大塚 邦明貞包 典子島田 和幸小沢 利男
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 77 巻 6 号 p. 847-851

詳細
抄録

自律神経症状を伴う脊髄小脳変性症(OPCA)の1例に, L-threo-3, 4-dihydroxypheny-lserine (DOPS)を投与し,その前後における心血管系自律神経機能検査(Tilt試験,寒冷昇圧試験(CPT), Valsalva試験,下半身陰圧試験(LBNP),長時間Holter心電図解析)の結果を比較検討した. 1) DOPS投与により血圧の上昇(reset)がみられた. 2) Tilt試験で立位後の血圧変動パターンに改善がみられ, 3) LBNPにおける前腕血管抵抗, plasma norepinephrineの良好な反応がみられた. 4) Holter心電図において心拍数変動パターンに改善をみとめた.これらよりDOPSは,起立性低血圧のみならず心血管系自律神経異常を一部改善される可能性がある.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top