側頭動脈炎と赤白血病の合併例を報告し,両者の合併の意義について考察した.症例は60才の男性.発熱,頭痛,筋肉痛を訴え,末梢血では赤芽球出現を伴う貧血,顆粒球増加,血小板減少および種々の免疫学的異常を認めた.側頭動脈の生検で側頭動脈炎と診断し,プレドニゾロンの投与で臨床症状の著明な改善をみた.しかし,貧血,血小板減少は持続し,骨髄像は次第に赤芽球過形成となり,一部に異型性の強い赤芽球を認め,赤白血病と診断し,諸種治療を試みたが,貧血が進行して死亡した,赤白血病にはしばしば免疫異常やリウマチ様症状を伴うことが知られているが,本症例は赤白血病と自己免疫との関連性を示唆する貴重な症例と考えられた.