2016 年 105 巻 5 号 p. 850-856
コレステロール塞栓症を原因とする慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は増加傾向にある.その原因は血管内インターベンション治療の増加にある.動脈硬化性プラークは腹部大動脈を中心とする大動脈に好発するため,カテーテルなどが大動脈壁を擦過する際にプラークの破裂を誘発する.手技操作直後に発症する急性腎障害(acute kidney injury:AKI)以外,手技操作から数カ月~数年にわたって虚血性腎障害が進行するCKDの病態をとる頻度が増加傾向にある.