2007 年 56 巻 4 号 p. 221-226
基板上に多数の微小帯電極をある一定の間隔で平行に配置した集合微小帯電極(縞電極又は縞状電極と略称)について,パルス•ボルタンメトリーにおける電流応答特性,特にその高い信号対雑音(signal-to-noise)特性に注目し検討した.実験にはリソグラフィー技術を用いて作製した2種類の金縞状電極(幅30 μm,間隔30 μm,及び幅10 μm,間隔50 μm),また比較のため通常の金平板電極を使用した.フェリシアン化カリウム(還元波)とフェロシアン化カリウム(酸化波)において,縞電極で得られる限界電流値は理論式に対応した挙動を示し,電解時間(サンプリング時間)の経過とともに基板と同面積の平板電極での限界電流値に近づくことが確認された.10-6 Mオーダーでの検量線から,基板面積に占める電極表面積の割合が減少するに従い,縞電極の基底電流値は減少し,検出限界の向上が確認できた.