障害科学研究
Online ISSN : 2432-0714
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米国の重度障害のある生徒のためのピア・サポートの配置の実態
西川 めぐみ米田 宏樹
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2020 年 44 巻 1 号 p. 123-136

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抄録

ピア・サポートの配置は、重度障害のある生徒に社会的支援と学問的支援を提供し、彼らの通常の学級へのインクルージョンを支えている。本研究は、支援を受ける生徒と支援に当たる生徒の条件、及び生徒同士のマッチングや参加する授業に着目し、ピア・サポートの実態を明らかにすることを目的とした。ピア・サポートの配置に関する研究は、効果に焦点を当てた論文が中心であるが、時間を追うごとに、よりプログラムの内容を吟味する傾向が見られた。支援を受ける重度障害のある生徒は、自閉症や知的障害があり、州の代替評価が採用されるが、大人の支援があれば通常の学級への参加が可能である。一方でピアとなる生徒は、重度障害のある生徒と同じ授業に参加し、ピア・サポートに関心があり、模範となるような生徒であった。生徒同士のマッチングには、同学年又は同年齢のペア、そして重度障害のある生徒(男) と重度障害のない生徒(女) のペアが多く見られた。

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