障害科学研究
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展望
日本のダウン症児者の平仮名の読み書きに関する研究の成果と課題
-海外の先行研究との比較を通して-
前田 真理子小島 道生
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2019 年 43 巻 1 号 p. 149-162

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抄録

ダウン症児への読み書き指導は、幼児期後半~児童期初期にかけて取り組むことが提案されているが、我が国でのダウン症児者への読み書き能力に関する研究は少ない。一方で、海外の先行研究では、我が国に比べて研究数も多く、ダウン症児者に対しての読み書き指導プログラムが開発されている。本研究では、日本と海外のダウン症児者の読み書きに関する研究を概観し、先行研究の成果と課題を探った。日本での先行研究は7本、海外での先行研究は15本であった。海外では多くのダウン症児を対象に読み書きに関する研究が行われているが、日本では論文の種類として事例的研究がほとんどであった。今後、多くのダウン症児者を対象とし読み書き能力と認知的能力や環境要因との関連を検討することが課題として挙げられた。

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