近年,山間部の地域を中心に温浴施設へ薪ボイラーを導入する事例が増えつつある。本研究では薪ボイラーの導入が地域に与える効果と課題を地域横断的に分析し,評価することとした。その結果,施設への薪ボイラーの導入目的が環境保全やエネルギー自給の促進,あるいは林業の振興というものである場合は有用であることがわかった。一方で,非常勤雇用主体の体制での運用でなければ事業の経営が難しいため,生業にはなり難いということが明らかとなった。したがって本研究での結果を踏まえた総合的な評価としては,地域での公益性の高い効果を目指し行政やNPOが主体となって事業を計画し実施するべき仕組みであると考える。