美術教育学研究
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創造性が社会と出会う美術教育のためのカリキュラムの構築と学習効果の研究
清田 哲男
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2018 年 50 巻 1 号 p. 153-160

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抄録

本研究は,児童・生徒が,自己の創造性を育むことを通して,未来を考え,地域社会で新たな価値や課題を発見し,それらの達成,克服のために,主体的な学習への姿勢を培うための小学校から高等学校までの長期的な美術教育カリキュラムの構築を目指している。構築にあたり,カリキュラムで育みたい四つの視点(自己の高まり,共感性,深く見ること,社会参画意識)を構造化した「創造性が社会と出会う美術教育Art Education Nurturing Creativity through Encounters with Society: ANCS」モデルの作成を試みた。モデルにおける題材の配置,育みたい力,日常生活での汎用性等の検討を,先行研究,並びに中学生への長期的な調査から行った。その結果,表現主題への意識を社会参画へと広げ,再び自己内面へ収束させる題材を繰り返すことが,四つの視点への中学生の意識と相関することが分かった。

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© 2018 大学美術教育学会
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