2017 年 67 巻 10 号 p. 521-526
シンキングツールの活用が広まっている。これはアイデアを可視化して考えを生み出したり,共有して協働的に考えたりすることを助けるツールである。考えるためには,一定の制限が有効にはたらく。シンキングツール上の図式や視点がその制限となる。活用にあたっては,考えを生み出す手順として思考スキルをイメージすることが重要である。思考スキルは,小学校低学年から高等学校まで徐々に高度化しながら活用する。思考スキルとシンキングツールを対応させることによって,その手順が可視化できる。しかし,この対応は一様ではなく,シンキングツールを使う場面やトピックの対象となる事項の数・質,活用の目的によって変わる。