1992 年 35 巻 5 号 p. 382-389
石油化学工業のパイプラインの修理には通線工事が伴う。スパイラル流発生ノズルによる効率的な通線技術を開発したことを前報で述べた。本報はジェットを噴出する環状スリットと漸縮小構造からなるコアンダスパイラルノズル内におけるスパイラル流の発生メカニズムを解析するものである。環状スリットから流体が噴出すると, その不安定性によって初期旋回成分が発生し, コアンダ効果と漸縮小構造によって旋回成分が成長し, 乱れが少ないスティーパーな軸流速分布を持つスパイラル流へ変化することが分かった。これにより, ノズル内の中心にロープが位置決めされ, 通線効率が高くなったものと思われる。