2022 年 37 巻 2 号 p. 229-235
〔目的〕乳がん患者の乳房全切除術後の在院日数(length of stay:LOS)と術前の運動機能との関連を調査すること.〔対象と方法〕乳房全切除術を受けた乳がん患者82名を対象に,術後のLOS≤7日の「LOS通常群(46名)」とLOS>7日の「LOS長期群(36名)」に分け,基本情報,疾患情報などとともに,ロコモ度テストを含む術前の運動機能を2群間で比較した.〔結果〕身長,腋窩リンパ節郭清の有無,2ステップ値が術後のLOSの長期化と有意に関連した.〔結語〕乳がん患者の術前運動機能評価のうち,2ステップ値の低下が術後LOSの長期化と関連したことから,2ステップテストの術前実施が術後LOSの長期化予測に有用である可能性が示唆された.