2021 年 36 巻 6 号 p. 783-788
〔目的〕本研究は,地域在住の通所サービス実施施設を利用している高齢者を対象に座位行動とダイナペニアの関連について明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は2ヵ所の通所介護事業所の利用者のうち条件を満たした161名とした.研究デザインは横断研究である.ダイナペニアの判定は,Asian Working Group for Sarcopeniaの定義を参考に握力(男性28 kg,女性18 kg)で判定した.〔結果〕座位行動は年齢,性別,身体活動量,認知機能,併存疾患等を調整してもダイナペニアとの関連が示された.〔結語〕ダイナペニア進行による高齢者の老年症候群等の発生や増悪を予防するためには,座位行動に着目した介入が重要である.