産業衛生学雑誌
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作業様態と肥満・肝機能障害・高脂血症との関連に関する研究 -自動車製造業からの販売店出向者における検討-
金子 光延小田 登和田 則仁岡崎 勲
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1995 年 37 巻 1 号 p. 33-41

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抄録

作業様態の相違による健康への影響において,特に肥満,肝機能障害,高脂血症との関連について,自動車製造業から自動車販売店へ出向した61名の男性従業員を対象として出向前後の健診データの比較および作業様態と生活習慣についてのアンケート調査を行い検討した.健診データより,販売店出向終了後には,出向前と比較して体重, BMI, GOT, GPT, γ-GTP, TG, T-CHOは有意に増加し,肥満および肝機能障害者は有意に増加した.製造業からの販売店出向により飲酒量の増加,習慣飲酒者の増加,喫煙量の増加および食事習慣の変化を認めた.作業様態の変化に伴う生活,食事習慣の変化が,肥満および高脂血症によると考えられる脂肪肝を基礎とする肝機能障害の増加に影響を与えることが示唆された.作業様態の違いにより生活,食事習慣に変化が生じ,肥満,肝機能障害,高脂血症と関連することを考慮に入れながら,生活指導を含んだ健康指導,管理を実施することが今後の健康管理のうえで,重要である.

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© 社団法人 日本産業衛生学会
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