本研究では,海外との協同物語制作が,児童・生徒の異文化理解に与える影響について考察する.異文化理解・自文化理解の育成を目的とし,研究の対象を日本の小学5年生とシリア・アラブ共和国のパレスチナ難民の中学1年生による物語の協同制作の実践とした.児童・生徒は写真の中に作り出された仮想的世界に自分たちを代表するキャラクターを派遣し,対話することを通して,同じ写真でも見方,考え方,感じ方が違うということを知るようになった.このように国際間協同物語制作学習は,児童・生徒が異文化を理解する方法として有効であることがわかった.