アレルギー
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症例報告
クラゲによるアレルギーの1成人例
鈴木 慎太郎宮田 祐人神野 恵美岸野 康成本間 哲也大田 進田中 明彦横江 琢也大西 司相良 博典倉田 なおみ嶋倉 邦嘉黒瀬 光一
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2017 年 66 巻 6 号 p. 804-808

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抄録

症例は35歳女性のプロダイバー.クラゲの冷菜を食べた20-30分後に嘔気,嘔吐,全身のかゆみ,皮疹を認めた.種々の海洋生物に刺され,皮膚の局所症状だけでなく全身のアレルギー様反応を呈した既往があった.当院来院時の血清中総IgE値は545IU/ml,クラゲからの抽出抗原を用いて抗原特異的IgEを測定したところ健常対照者よりも高値で,好塩基球活性化試験では刺激した抗原の濃度依存性に陽性反応が増強した.SDSPAGEにてクラゲの酸可溶性コラーゲン画分のレーンで250kDa以上の箇所にバンドが確認され,本症例におけるアレルゲンである可能性が示唆された.経口負荷試験は実施しなかったが,上記の結果よりクラゲによる即時型食物アレルギーと診断し,以後のクラゲの経口摂取を禁じた.クラゲによるIgEを介したアナフィラキシーは稀少であり,既報は本邦に限定されている.本症例のアレルゲンはコラーゲンと推察したが,クラゲアレルギーでは個体差や病型により原因アレルゲンが異なることが予想され,症例を集積しアレルゲンの更なる解析・同定が今後望まれる.

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© 2017 日本アレルギー学会
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