2018 年 28 巻 5 号 p. 41-44
本稿は,高校理科における科学的説明力の育成を指向した指導法の開発に向け,その手掛かりを得ることを目的としている。目的達成のため,科学的説明を「証拠に基づく説明を構成する」と「科学的知識と説明を関連付ける」という 2 つの要素に分けた。そこで,科学的説明の構築に関する具体的な事例を取り扱っている BSCS 生物の教師用ハンドブックにおける「探究への招待」の中の 1 つのテーマである「光と植物の動き」を分析し,2 点を明らかにした。(1)証拠を基にした説明を理解させるための特徴的な問いが存在する点。(2)科学的知識と説明を関連付ける活動がなされていない点。