日本科学教育学会研究会研究報告
Online ISSN : 1882-4684
ISSN-L : 1882-4684
第2部 研究発表
遺伝子組換え食品問題に対する社会的意思決定をテーマとしたCSCLシステム活用型科学教育カリキュラム : デザインの変更が個人的意見に与えた影響
坂本 美紀稲垣 成哲山口 悦司藤本 雅司山本 智一竹中 真希子大島 純大島 律子村山 功中山 迅近江戸 伸子
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2006 年 21 巻 1 号 p. 83-88

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抄録

筆者らは,CSCLシステムであるKnowledge Forumを活用した小学生のための科学教育カリキュラムを開発・評価している.本研究では,遺伝子組換え食品問題に対する社会的意思決定を扱うカリキュラムを,知識構築に関するデザイン原則のひとつである認識主体性の観点から改善し,有効性を評価した.評価の指標は,この問題に対する個人的意見であり,単元開始時,中盤,終了後の3時点で測定し,学習の進行に伴う変化を改善前のカリキュラムでの結果と比較した.その結果,改善後のカリキュラムでは,単元の中盤から提案型の意見が出現し,単元後にはほぼ全員が,条件や代替策を示した賛成意見を記述した.児童の認識主体性を考慮した授業デザインの変更により,共同体にとって価値あるアイディアの創出という知識構築のレベルを,さらに向上させることができた.

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© 2006 一般社団法人 日本科学教育学会
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