2007 年 117 巻 6 号 p. 963-968
当院では,疥癬に対するイベルメクチンを40名に投与し,空腹時投与群と食後投与群につき,その安全性と有効性を検討したので報告する.なお再発による再投与を含めた延べ投与症例数は48例である.本剤の使用に当たり,疥癬診療ガイドラインに準拠した上,薬剤の性状と疥癬の寄生部位等を勘案し,25%安息香酸ベンジルローションの全身への外用療法併用,痒疹様結節への凍結療法の併用などを試みた.この結果,食後投与群において有効率の向上,再発率の低下を見た.安全性については,臨床検査値異常を3例で認めたほかは,特に問題となるような副作用は認めなかった.