日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: S25-2
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シンポジウム25
ナノバイオデバイス、AIと量子技術によるリキッドバイオプシー
*馬場 嘉信
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抄録

 閣議決定された第5期科学技術基本計画は、IoT、人工知能などのサイバー空間とセンサ、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなどのフィジカル空間(現実社会)を融合させる取り組みにより、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を実現することを目指している。さらに、超スマート社会の実現に加えて、世界最先端の医療技術の実現による健康長寿社会の形成を目標としている。ナノバイオデバイスは、健康長寿社会を構築するための基盤技術として研究開発が進展してきた。さらに、内閣府が決定した量子技術イノベーション戦略・AI戦略等に基づいて、人工知能や量子技術と融合することにより、超スマート社会を目指した研究開発が急速に進んでいる。

 本講演では、我々が内閣府・ImPACT、AMED再生医療実現拠点ネットワークプログラム・最先端の次世代がん診断システム開発、文科省COI-STREAM等で進めているナノバイオデバイス開発を目指した研究成果として、ナノピラーによる超高速1分子DNA解析、ナノワイヤによるエクソソーム超高効率捕捉と尿中のエクソソームmiRNA超高感度解析およびがん診断、ナノポア1分子DNAシークエンシング、量子ドットと臓器透明化によるiPS細胞のintra vitalイメージング、超スマート社会を構築するAI-Powered IoNTナノセンサなど、ナノバイオデバイス、AIと量子技術の基礎研究から臨床応用・実用化に向けた研究動向について解説する。

Y. Baba, et al., 岩波新書 医の希望、2019; Nature Biotech., 22, 337 (2004); Nature Biotech., 22, 1360 (2004); Nano Lett., 12, 6145 (2012); ACS Nano, 7, 3029 (2013); Sci. Rep. (Nature Pub. Group), 4, 5252 (2014); Nano Lett., 15, 3445 (2015); Sci. Rep. (Nature Pub. Group), 6, 31642(2016); J. Am. Chem. Soc., 139, 14137 (2017); Science Advances, 3, e1701133 (2017); Sci. Rep. (Nature Pub. Group), 8, 6765 (2018); ACS Nano, 13, 2262 (2019); Nano Lett., 19, 2443 (2019); ACS Nano, 13, 8155 (2019); Nano Lett., 20, 599 (2020); EBioMed.(published by The Lancet), in press (2020).

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