日本地理学会発表要旨集
2018年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 534
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発表要旨
相対湿度を用いた1kmメッシュのイネ葉面濡れ時間予測マップ
*菅野 洋光山崎 剛大久保 さゆり岩崎 俊樹神田 英司小林 隆
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抄録

北日本における稲作を考える場合、低温による冷害とともに、イネいもち病も減収の重要な要因の一つである.例えば、2003年冷害の場合、イネの被害割合で23.3%がヤマセによる低温被害だが、いもち病による被害も5.3%発生している.地球温暖化により梅雨明けが遅れるとの研究もあり(Kusunoki, et al., 2006,JMSJ)、植物体の濡れによる病害発生リスクには今後も注意が必要であると考えられる.
いもち病の感染には適温と葉面の持続した濡れが必要であり、それらを把握することで、適切な薬剤の散布が可能になる.イネいもち病については、アメダス気象4要素を用いた予測手法BLASTAMが開発されており(越水,1988,東北農試研報)、現場で広く運用されているが、アメダス気象観測点の密度や立地に依存するところが大きく、より汎用性の大きい手法が求められている.そこで、メソ数値予報モデルGPV(MSM)データの相対湿度を用いたイネ葉面濡れ時間予測手法を試作した.

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© 2018 公益社団法人 日本地理学会
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