LANDSATのような地球観測衛星では、波長帯毎の反射率データを使用して土地被覆などの環境解析ができる(長谷川,2001;長澤,2002)。しかしそのような衛星データを利用して地理調査や研究を実施する際、1)撮影間隔が長く、2)天候(雲)に影響を受け、3)高精度の情報は高価で、4)販売の最小範囲が広すぎる点が制約になる場合がある。つまり自然災害や卒論等の現地調査では、1)限られた地域に対し、2)天候にあまり左右されず、3)高精度の様々な反射率データを随時取得でき、4)データ取得は廉価となる手法があると便利かと思われる。
弓場 (2001)と林(2001)では、赤外領域の波長帯データを、写真用赤外フィルターを装着したデジタルカメラで取得し、写真画像として示す方法が紹介された。ただ1)取得データが遠赤外波長帯で、2)画像情報の表示に限られている。しかしフィルム各社から赤外領域以外も様々な波長帯の光をカットするフィルターが販売されているため、適切にフィルターを組み合わせ、特定の反射率データを取得できる可能性があることに着目した。本研究ではLANDSATデータに近い、波長帯毎の反射率データをデジタルカメラで取得し解析する方法を工夫した。