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沿岸に発達するサンゴ礁域は河川を通じ流域より様々な環境負荷を受けることが知られており、これまでに、陸域物質の流入の指標としてハマサンゴ年輪に含まれるマンガン(Mn)や鉄(Fe)が測定されている。これらの元素は塩分や浮遊粒子などの影響を受けやすいにもかかわらず、両元素のサンゴ骨格中での存在状態や,陸域に近い裾礁タイプのサンゴ礁海域においてどのような形態で両元素が存在しているか、といった基本的な情報はあまり研究されていない。本研究では、石垣島サンゴ礁より採取されたハマサンゴの骨格について、クリーニングの有無によるMnとFeの濃度を測定し、骨格内での両元素の存在状態を明らかにした。また、沿岸から外洋側のトランセクトで採取したサンゴ骨格から、MnとFeのサンゴ礁内での空間分布を、50年間の記録を保持する長尺サンゴコアからは両元素の時系列変動と石垣島の土地利用変遷との関係を考察した。