日本地球化学会年会要旨集
2005年度日本地球化学会第52回年会講演要旨集
セッションID: 3P34
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有機物
三次元蛍光分光による英虞湾底質に含まれる有機物の分析
*大塚 高弘中嶋 悟
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抄録

三重県英虞湾は近年、堆積物中の有機物量の増大が問題になっている閉鎖系の海域である。この有機物種には腐植物質様の有機高分子化合物が含まれていると言われており、そのキャラクタリゼーションが求められている。本研究では堆積物コアより抽出した腐植物質様有機物質の深さ方向の変化について、三次元蛍光分光法によって解析した。英虞湾中央部、湾奥部のそれぞれ深さ0-3,3-6,6- cmの計6点の試料について、全有機炭素濃度TOCをそろえた希釈率の溶液を作成し,3次元蛍光分光測定を行った。その結果、典型的な腐植物質のピークである450nmの蛍光強度(励起波長345nm)が深さと共に増大することがわかった.これは,フミン物質の割合または官能基構造が深さと共に変化していることを示唆する.腐植物質標準試料の加熱実験生成物の3次元蛍光スペクトルの変化と比較して、上記の結果を検討する

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© 2005 日本地球化学会
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