日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2015年年会
セッションID: R2-15
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R2:結晶構造・結晶化学・物性・結晶成長・応用鉱物
(Mg,Zn)2SiO4オリビン固溶体におけるカチオンの分布:29Si MAS NMR及び第一原理計算による解明
*薛 献宇神崎 正美
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抄録

(Mg,Zn)2SiO4オリビン固溶体について、第一原理計算と29Si MAS NMR測定を行い、M1, M2席へのZnの分布と29Si MAS NMRの化学シフトの関係を調べた。その結果、29Si MAS NMRからZnのM1, M2席への分配に関する定量的な情報が得られることが確認できた。これはオリビンのSi四面体は2つのM1八面体及び1つのM2八面体と綾を共有し、2つのM1八面体及び4つのM2八面体と角を共有するが、その29Si化学シフトは綾共有八面体席におけるZnの置換に最も敏感で、かつM1かM2かによって異なるためである。ZnはM1席を優先的に占有していることも分かった。同様なアプローチは他のカチオン(e.g. H)の分布の解明にも有効であろう。

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