2016 年 24 巻 p. 103-108
振動場における微粉体の移動特性について実験的に検討した.本研究では平均粒径8.2 μmの球状のジルコニア粒子(密度5680 kg/m3)を使用し,ガス通気量と振動パラメーターを変化させ,発現した粒子移動パターンを実験的に観察・分類した.振動付加により発生する粒子移動速度は振動振幅の増加と共に増加したが,層の圧力損失値は減少する傾向が得られた.粉体層へのガス通気の無い条件において振動付加が粉体層内の粒子に規則的な移動状態(対流状態)を誘起することが経験的に知られており,これは比較的粗な粒子で構成される粉体層に限られていたが,本研究で用いた粒子間の相互作用の影響が大きく凝集性を強く示す微粒子で構成された粉体層に,ガス通気状態で鉛直方向の振動を適切な条件で付加することで規則的な粒子の移動・対流パターンが得られることを明らかにした.