2011 年 65 巻 1 号 p. 360-367
本研究では、シリカフュームを用いたコンクリートの塩分浸透抵抗性を明らかにするため、浸せき法により塩化物イオンの見掛けの拡散係数を求めた。その結果、シリカフュームの混和により塩化物イオンの見掛けの拡散係数が大きく低下した。また、シリカフュームの混和による塩化物イオンの見掛けの拡散係数低下の原因について検討を行った結果、直径10nm以上の空隙量の減少が影響していることが分かった。さらに、鋼材腐食発生限界のCl-/OH-比を仮定し、シリカフュームコンクリートの鋼材腐食開始年数の試算を行ったところ、シリカフューム無混和のコンクリートより腐食開始が遅くなる試算結果となった。