チャバネアオカメムシPlautia stali SCOTT成虫の休眠発育がどのように進行するかを明らかにするため,20°Cの恒温条件下で日長転換を行い産卵の開始および体色の変化を観察した。成虫期に日長を長日(15L-9D)から短日(12L-12D)へ転換すると産卵の抑制および体色の褐色化が認められ,逆の転換により産卵の誘起および体色の緑色化が観察されたことから,本種は成虫期にも光周期に対する感受性を有することが示された。短日から長日への転換では長い期間短日条件下に置かれた区ほど転換後早く産卵する傾向が示され,羽化後日齢の経過に伴ってしだいに休眠発育が進行することが明らかになった。また,褐色個体の緑色化は休眠発育がある程度進行した段階で引き起こされる現象であると推察された。