高分子論文集
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ポリ (p-オキシベンゾイル) ウィスカーの生成過程における形状変化
加藤 康夫山下 祐彦木村 邦生遠藤 誠司梶崎 弘一
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1988 年 45 巻 12 号 p. 973-978

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抄録

p-アセトキシ安息香酸を流動パラフィン中で重合して得られるポリ (p-オキシベンゾイノレ) ウィスカ-の反応時間による形状変化を詳しく検討した. その結果, ウィスカーの成長を引き起こすスリップ転位をもった結晶は, 重合の極めて初期のみで発生する. 引き続いて重合によって生成する結晶化可能なオリゴマーは, 上述の結晶へのらせん転位による成長のみに利用される. らせん成長によって生じたウィスカーは, 初期では長さと太さの増加が起こり, 続いて長さ方向のみの成長が起こる. また, 重合の後半では結晶の先端角の細化が起こった. これらの形状変化は, 重合によって生じる結晶化可能なオリゴマーの過飽和度の変化にようて説明できた. また, ウィスカー成長を引き起こす初期結晶の生成数に関しても重合温度を変えた実験結果から議諭した.

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