日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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地方病性ウシ白血病牛の胎児および胎盤に関する病理学的研究とくにウシ白血病ウイルスの経胎盤感染について
大島 寛一高橋 喜和夫岡田 幸助沼宮内 茂香川 裕一南野 久晃
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1982 年 44 巻 3 号 p. 479-485,488

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抄録

ウシ白血病腫瘍期にある妊娠牛47例お上びその胎児51例について, 病理組織学的検索を行なった. 母ウシについては, 血清 BLV 抗体および電顕による BLV 粒子の検索を併せ行ない, 検査した全例が陽性であった. 血清 BLV の検索を行なった15例の胎児では, 5例(30.3%)が陽性で, そのうち1例は母ウシより高い抗体価を示し, かつ胎児胎盤に腫瘍細胞の浸潤を認めた. 別の2例では全身に腫蕩組織が認められ, そのうち1例では胎児胎盤から臍帯を経て, 胎児皮下に腫瘍組織が見られ, 母ウシからの浸潤とともに転移を思わせるものがあった. また, 血清を検査しなかった36例の胎児のうち, 11例(30.6%)のリンパ組織に活性化が認められ, BLV の経胎盤感染を思わせた. これらの所見にもとついて, 経胎盤感染の頻度, 病理発生などについて考察を加えた.

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