犬糸状虫感染に対する犬の免疫応答をマクロファージ遊走阻止(MI)試験(間接法), 間接赤血球凝集(IHA)反応, 受身皮膚アナフィラキシー反応により, 検討した. 犬糸状虫成虫抗原と子宮内ミクロフィラリア(Mf)抗原を用いたMI試験の結果, 犬糸状虫未感染犬群13頭と自然感染犬群20頭の成績は陰性であった. 犬糸状虫実験感染犬3頭(感染子虫数98~121匹)および未感染対照犬2頭の感染経過中における免疫応答の動態についても検討した.感染犬では, IHA抗体, レアギン抗体ともに実験期間を通して産生され, 特に著明な増加は, 第4脱皮期と末梢血Mf陽性時期に関連している可能性が認められた. それにもかかわらず, prepatent periodにおけるMI試験は陰性であった.