放射線による間期の細胞死は,膜に起因することが多い.低線量で初期摘傷は,膜の電気的特性で観察される.600rads以下では,その変化は可逆的であるが,1000radsでは,電気的特性は一方的に変化し,膜からのイオン流出として帰結される.3H20を用いた流出実験でも,これを裏付ける.膜を低張にして機械的張力を与えると,600radsでも流出が見られる.これは正常の張力で,1000radsの流出も生きてる膜のあり方が放射線に協力的に働くことを示唆する.4000radsでは,上記の物理的損傷は生化学的損傷に進んでることが,アデニン,イノシンを用いた実験で解明された.