遺伝学雑誌
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禾穀類の核形態学
第2報 ライ麦の核型変化について
生沼 巴
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1953 年 28 巻 1 号 p. 28-34

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抄録

1). ライ麦の染色体は長さの順にa, b, c, d, e, f及びgの7種に排列され, それらはまた形態により互に区別点を有することが知られた.
2). 7本の基本染色体はいずれも submedian で, aは時により第二次狭窄をもち, dは時により小形の附随体をもつ. その他の染色体は常に同型で, これらのうちe, fは常に附随体をもち, 前者の附随体は小球形, 後者のは西洋梨型で大きい.
3). aおよびd染色体の変化により, 核型をa1d1, a1d2, a2d1 a2d2およびa3d2の5型に分つことができる. これらはこの順序に進化して来たものの如く考えられる.
4). 各染色体の形態が明かにされた関係上, 従来論議されて来た異常染色体数をもつたライ麦の起原について, 核形態学的に実証が可能となつた.

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