1987 年 33 巻 2 号 p. 96-100
遺伝性の肥満性糖尿病を呈するC57BL/KsJ-dbmマウスを用い,雌雄共に妊孕能のない発症個体(db/db)間の体外受精•培養および産仔への発生能について検討した。db/dbにPMSG-hCG法により排卵誘起を施し,db/db、副腎摘出db/db(Adrex),db/+および(C57BL/6J×C3HeN)F1の精巣上体精子を用いて体外受精を行った。F1区の受精率に比べ,Adrex区db/db区およびdb/+区では低率であったが,体外受精率に及ぼす副腎摘出の有意な効果が認められた。また,Adrex区の2細胞期胚の移植により,移植胚の14%に相当する11例の産仔が得られた。