日本薬理学雑誌
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特集:日本における動物実験代替法の新たなる技術展開
細胞アッセイ系の生理学性向上のための組織工学的アプローチ
酒井 康行篠原 満利恵
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2018 年 151 巻 2 号 p. 56-61

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抄録

近年,動物愛護という社会的要請や,科学的根拠に基づいた人体でのより正確な応答予測を求めるという科学的要請から,非動物試験手法の開発とその利用促進が世界的に強く求められている.将来の人体応答評価においては,iPS/ES細胞技術や様々な先進培養技術を利用したin vitroの生理学的培養システムにて生物学的データを取得し,それを数理シミュレーションにて個体まで積み上げることになろう.本稿では,基本となる生理学的培養組織モデル構築に焦点を当て,生体組織工学の観点から細胞の三次元化と酸素供給というin vitroで相反する問題の解決や,近年発展が著しいorgan(s) on-a-chipの現況,さらに残された課題等について述べた.

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© 2018 公益社団法人 日本薬理学会
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