化学工学論文集
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反応工学
コイル状回転らせん型気固接触装置のガス流通時固定層維持限界
清水 忠明 大戸 崇司李 留云八太 昭道小島 紀徳
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2020 年 46 巻 3 号 p. 84-89

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抄録

コイル状らせん構造を有し,らせん中心軸周りの回転運動で粒子を輸送する気固接触装置を提案した.内径24 mmの透明アクリル管で構成した多角形180°エルボを組み合わせ,1.5旋回のらせん構造のコールドモデルを製作した.らせん内の粒子固定層にガス(空気)を流通した.ガス流通は,粒子移動方向に対して向流と並流の2通りとした.ガス流量が少ないときはガス流量増加とともに圧損が増加したが,ガス流量があるしきい値を超えると圧損が急激に低下した.この圧損急減の原因は,並流の場合は気流で粒子が押し流され固定層内にチャネリングが形成されたためであり,向流の場合はらせん内鉛直部分にある粒子が流動化したためである.並流の場合では,最大圧損と粒子–壁面摩擦あるいは粒子間摩擦の関係を論じた.向流では最大圧損を与えるガス空塔速度と粒子の最小流動化速度の関連を論じた.

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© 2020 公益社団法人化学工学会
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