石油や天然ガスの輸送パイプラインは水平管,鉛直管,傾斜管が繋ぎ合わされて構成されており,上昇・下降傾斜管を接続する繋ぎ目に存在するV字部で多くの液体スラグが発生する.この液体スラグは,配管損傷の原因となる圧力変動を引き起こすため,V字部において発生するスラグ特性の予測は,輸送パイプライン設計において重要である.本研究では,上昇・下降傾斜管の繋ぎ目のV字部で発生するスラグを対象に三次元二流体モデルによる数値計算を行い,スラグの発生,ならびにスラグ速度,長さおよび周波数を予測し,実験結果との比較を通して,本数値計算の妥当性を検討した.その結果,V字部直後におけるスラグの発生および下流の上昇傾斜管におけるスラグ成長・崩壊過程を良好に予測できた.また,スラグ速度,長さおよび周波数の計算値は,実験相関式と良く一致した.