バインダーを含む分散系スラリーを回転ディスク型の噴霧乾燥機で造粒して調製される顆粒の粒度分布に関する考察を,既報のバルーンモデルをもとに行った.実験から,顆粒の粒度分布は初期噴霧液滴の粒度分布よりも広く,その傾向はバインダーの添加量が増加するほど顕著になることが確認された.これにより,液滴から顆粒になる際の収縮率は,液滴が小さくバインダーの添加量が少ないほど大きくなることが示された.
これをバルーンモデルにより解析した結果,とくに小さな液滴は噴霧乾燥造粒装置の特性からバインダーの添加量による影響は小さく,バインダー添加量によらず収縮率が大きくなること,それに対し,大きな液滴ではバインダー添加量の増大に伴い粒子間凝集力が増すことから収縮率は小さくなることが説明できた.